博士の日々

博士研究員になりました。

大学院に進学するということ

ご挨拶を除いて、初記事となります。

よろしくお願いします。

 

そもそもこのブログを開設しようと思ったきっかけがありまして…

私は、修士2年の終わりまで個別指導塾の塾講師をバイトでやっていたのですが、

その時教えていた生徒が大学3年生になり(月日は早い)、

大学院に進学したいが、就職するのも迷っているから相談に乗って欲しいと連絡をもらいました。

 

その子は、勉強することが好きらしく(塾の時もそうでした)、大学院に進学してもっといろんなことを勉強したいと考えているそうです。

私は迷わず、「就職した方がいい」と言いました。

おそらく、博士課程に在籍する方のほとんどがこの話を聞いて、同じように「就職した方がいい」と言うかと思います。

 

まず第一に、「勉強」と「研究」は別物である、と。

なぜ別物なのか。

勉強とは、「すでに他人が明らかにしていることを学ぶこと」であり、研究とは「自分で新しいことを発見し確立すること」であるからだと私は思います。

もちろん、「研究」するには「勉強」が必要です。

でも、「勉強」するのに「研究」は必要ありません。

必要十分条件の問題みたいですね。(笑)

 

第二に、「研究したいテーマがないこと」です。

相談してきた子は、漠然と「宇宙に興味があるから宇宙の勉強がしたい」と言っていました。

宇宙に興味を持つことは大変結構なことなのですが、大学院に進学するほどであるならば、宇宙のどのようなところに興味を持ち、どのような手法で何を明らかにしたいのか、が明確であることが大事だと私は思います。

もし、「宇宙について明らかになっていることを知りたい」だけなら、ネットで検索すればだいたい出てくるでしょう。

大学院に進学し、研究をするということは、「何を明らかにしたいのか」が具体的にあるかどうか鍵となるはずです。

 

第三に、意味のない進学より学部卒で就職する方が良いからです。

第一と第二の理由から、大学院に進学する理由はないと思います。

それでも進学したいのなら、それははっきり言って無意味なことだと私は思います。

大学院は、「修士号を取得して良い企業に就職するための場所」ではありません。

「自ら新しいことを発見するために研究する場所」です。

すなはち、「自ら新しいことを発見」できずに修士を卒業して就職すると、その人の修士の2年間は意味のないものになるのです。

20代の貴重な2年間を無駄にするくらいなら、初任給が多少少なくても学部で就職する方がよっぽどマシと言えるでしょう。

 

以上の内容を相談してきた子に話しました。

もう一度よく考えてみると言っていましたが、どうなることやら…

就職は就職で、自分自身が何をしたいのが、何を中心に生きていきたいのか、など自問自答を繰り返して目的の企業の説明会や面接に臨んだりするでしょう。

大学卒業という節目は、進学も就職もどちらに進んでもまさに「人生の選択」が迫られるわけですね。

 

これから大学院進学を考えている学生さんたちは、今一度

 

・自分が本当にやりたいことは何か

・何が知りたくて何をどう明らかにしたくて研究するのか

・自分が送りたい人生像

 

を考えてみてください。

間違ってもいいんです。考えずに進むよりよっぽどマシです。

今一度立ち止まって、思考を凝らして、自分自身についてより深く考えてみてください。

私は、考えるあなたたちを応援しています。

 

私も応援されたい〜〜(笑)

 

 

 

 

ちなみに、私自身はといいますと、

小学生〜中学生のころから、研究者の道に憧れていました。

高校卒業時には、博士課程に進学することは決めていました。

大学3年生の頃には、どのようにして研究していこうかも考えていました。

今、その研究がうまい具合にいっているかというとそうでもないのですが…

諦めず頑張っていきたいと思っております。

 

 

長くなりました。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

また更新します。